胆石症
胆のうとは
胆のうは、肝臓で作られた胆汁(脂肪を消化する働きを持つ消化液)を溜めておく働きをします。
胆のうは、肝臓と十二指腸をつなぐ管(総胆管)の途中にあり、50~60mlの胆汁を蓄えることができます。
胆石症とは
胆石症とは、胆のうや胆管に石ができて、腹痛などの症状を引き起こす病気です。
石ができる場所によって、胆のう結石、総胆管結石、肝内胆管結石に分類されますが、一般的に胆のうにできる石を胆石と呼ぶことが多いです。
胆石ができる原因
原因は様々ですが、脂質の取りすぎや、細菌の感染症などがあげられます。
脂肪分が多い食事を取りすぎると、胆汁の中でコレステロールが固まり、石になります。
胆のうや胆管に感染症を引き起こすと、炎症により胆汁の流れが悪くなり、石が形成されることがあります。
また消化管の手術を行っている方は、胆のうの働きが低下し、胆石ができやすくなります。
胆石症の症状
胆石の60~80%の方は無症状ですが、右の肋骨の下やみぞおちに痛みが出現し、激しい痛みにより嘔気・嘔吐を伴うことがあります。
主に脂肪分が多い食事の摂取後に症状が起こりやすいです。
また、胆のう炎を引き起こすと、持続的な激しい腹痛、発熱、嘔吐が出現することがあります。
胆石症の検査・診断
身体診察
腹部を触診し、右上腹部に痛みや違和感があるかを確認します。
血液検査
血液検査では、炎症の数値(CRP)や肝機能を確認します。
通常、胆石があるだけでは血液検査には異常を認めませんが、胆のう炎を引き起こしたり、胆石が胆管に詰まると、炎症の数値や肝機能が上昇する場合があります。
超音波検査
腹部超音波検査で胆石の有無や大きさ、胆のうの炎症の有無を調べることができます。体の負担もなく、診断には非常に有用です。
CTまたはMRI
超音波検査で不十分な場合、CTまたはMRIで結石や胆のう・胆管の炎症の程度を確認する場合があります。
胆石症の治療
胆石は症状が無い場合、治療の必要はなく、様子をみる形で問題ありません。しかし、腹痛などの症状が強い場合は、診察や検査の上、治療方針を決めます。
薬物療法
痛みが強い場合、鎮痛剤による症状改善を試みます。
胆石を溶かす薬剤もありますが、石の種類によっては効果が無く、溶けない場合も多いです。
その場合は、手術などの他の治療を行います。
胆のう摘出術
胆のう全体を摘出する手術を行います。
多くの場合、腹腔鏡を用いて胆のうを切除します。主に腹痛を繰り返す方が適応となりますが、胆のう炎を引き起こした場合、緊急で手術が必要になる場合があります。
その際には手術可能な医療機関をご紹介させて頂きます。
体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)
体外から衝撃波をあてて、結石を破砕する治療です。
石の種類によっては効果が無い場合もあり、近年ではあまり行われなくなっています。